先日、初めてヒッピティホッピティパレードを見た時に、目の前のフロートにいたブレアラビットのことが気になってちょっとばかり調べてみました。

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何を今さら、な部分もあると思いますがそこはにわか者の自由研究くらいに思って大目に見ていただければ幸いです。

(文章並びに画像は、主にBS世界のドキュメンタリー「ウォルト・ディズニー」より出典、編集をしております。)


ブレアラビットは元々はアメリカ南部で古くから黒人奴隷たちの間で語られていた伝承話を、同じく南部のジョージア州出身のジョーエル・チャンドラー・ハリスさんと言う方が作品としてまとめた「リーマスおじさん(Uncle Remus)」シリーズに登場する架空のうさぎのことです。


ちなみにブレアとは黒人同士がお互いを仲間として呼ぶ時につける「Brother」の南部なまりのことで同じく作品に登場する動物にもブレアベア、ブレアフォックスといった名称がついています。


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ウォルト・ディズニーはそれまでのヨーロッパの童話を元にした物語では無く、アメリカで誕生した話を作品にしたいと考えました。

そこで目をつけたのがこのチャンドラーさんのUncle Remusシリーズです。

しかし、映画全編をアニメーションで作成するには資金が足らず、コストのあまりかからない実写と組み合わせて作品を作ることを考えました。

そうして誕生したのがこの「南部の唄」でした。


劇中に登場するブレアラビットのスケッチ

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このお話を作品化するにあたりウォルトは有識者に一応は意見を求めますが、黒人社会からの反発を危惧したこの有識者の意見にウォルトは重点を置きませんでした。

今で言う既読スルーってやつです。


結果、この作品には多くの賛否両論が巻き起こりました。

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一番大きかった「否」の意見、それはウォルトが既読スルーした、黒人社会からの厳しい反発でした。


物語は決して黒人奴隷への差別や人権侵害などを描いていません。むしろ白人少年と黒人の老人との心のふれあいを軸にお話が展開されていきます。

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この「白人と黒人のふれあい」これこそが当時の黒人奴隷社会ではあり得ないと、批判を浴びたのです。

あたかもそこが黒人たちにとって楽しく住みやすい世界であるかのような美化された描写が、歴史の真実を湾曲するものだ!と言う厳しいものでした。

この問題を受け、いったんは日本でもソフト化されたものの発売中止となり、今に至っています。

「架空のファンタジー」として目をつむればいいじゃん、

といってしまうにはあまりに深いアメリカの歴史の闇がそこにはあるのだと思います。

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そしてこの「南部の唄」のアニメーションの部分をフィーチャーして作られたアトラクションが、ご存じスプラッシュマウンテンです。


アトラクションの最後の方で聞こえるジッパ・ディー・ドゥー・ダー(zip-a-dee-doo-dah)は、私は勝手にディズニーのテーマソングだと思っていたのだけど、実はこの「南部の唄」の劇中歌でアカデミー歌曲賞も獲っていた曲だったんだね。

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この作品から飛び出したブレアラビットが、スプラッシュマウンテンの主役のうさぎどんになって、今はイースターのキャラにもなって、でももっともっとみんなに知ってもらって愛されるといいなと思います。

実写部分に問題があるのなら、ブレアラビットのお話をメインにしてアニメーションだけで新しく作ればいいのにな、と凡人の私などは思ったりしてしまうのですが。



それでもいつかはこの「南部の唄」という作品が見ることが出来るようになればいいのになと願わずにはいられません。

きっとみんなの共通の思いですよね。



もっともっといろいろなことがわかればディズニーはどんどん楽しくなる。



以上、リーマスおばさんのディズニーを学ぼう!のコーナーでした。
(誰よ、




※一部加筆、修正をしました。